髭ブログ 第5回
●博多も久しぶり
博多といえば九州一の大都市だが、久しく来ていなかった。
別に避けていた訳ではないが、どうも大都市の居酒屋より
地方の店の方が性に合っている。
前にも書いたが、空いている店が好きなのも理由の一つなのだろう。
しかし、日本百名居酒屋と銘打っているのだから、
私の個人的趣味で取材店を決めるわけには行かない。
そこで、博多の名店「さきと」と「寺田屋」を訪れた。
太田さんもこの二軒は絶対外せないということで、ほとんど決まっていたのだが。
まずは「さきと」。少し前から全席禁煙になったので
タバコを吸う私にはちょっと辛いが、さすがに名店。酒も肴も満点だ。
特に日本酒は福岡県の地酒を中心に日本中の名酒がそろう。
それを骨董市で見つけてきたという古い酒器で楽しむ事ができるなんて、
日本広しと言えどもこの店ぐらいではなかろうか。
そして肴はごまさばだ。大分の琉球という料理と同じ系統だろう、
鯖の刺身をゴマと九州の甘めの醤油で浸ける。
そのまま食べても美味しいが、お茶漬けにするとまた絶品だ。
私も自宅で作ったことがあるが、鯖の鮮度と脂の乗りが違う。
やはり、玄界灘の鯖は美味しい。
ちょっと横道にそれるが、東京の居酒屋でごまさばと言うメニューを見たことがあった。
東京でごまさばとは珍しいなと思い注文すると、なんとゴマサバの刺身だった。
実は、鯖の刺身にはマサバとゴマサバがあるのだ。
ちゃんと鯖の種類までメニューに記してあるのは大変素晴らしいことだが、
博多の人がこの店でごまさばを注文するととんでもないことになることは確実である。
次は「寺田屋」。店主はまだ若いが、考え方のしっかりした良い店を作っている。
最近、新しい店を出したそうで、そちらへも顔を出さなければならないので、
「寺田屋」のカウンターにずっといないのがちょっと寂しいが。
ここは焼酎にして、料理を中心に頂いた。
カウンターの上に並ぶ大皿料理は大変美味しそうで次々に頼みたくなる。
まず目を引いたのはピーナッツモヤシ?だ。
どうもモヤシのようなのだが、太いので聞いてみたら、
これを油で揚げるのだという。なかなかの味。
ビールや焼酎に良く合う。
もう一つなんだか分からないラップに包んだ丸いものが目の前にある。
マーブル模様で、生牡蠣を詰め込んだようにも見える。
自家製ゴマ豆腐と聞いてびっくり!早速食べてみた。
美味しい、と言うより珍しいものだ。
味はこってりとしていて酒の肴になるが、ラップを外すと小さなざる豆腐のようになる。
カウンターに置いたときそのままでは誰も頼んでくれないので、
ラップで包んでなんだか珍しいものに仕立て上げたそうで、その感性に感心した。
●とっても健康的な居酒屋のご主人
居酒屋のご主人と言えば、不健康でなくてもあまり健康そうな人は
多くないのではなかろうか。
まして、ウルトラマラソンに出るようなご主人は滅多にいない。
しかし、博多の親富孝通り(親不孝ではなく親富孝)近くの
「二升瓶」のご主人はウルトラマラソン(100キロ以上のマラソン)に
何度もチャレンジしているそうだ。
店内にはご主人の勇姿に加え、東国原宮崎県知事(まだ当選前)との
ツーショットの写真が沢山飾ってある。
その他は、ガラクタともいえる古くからの民具などが、
いかにも古い居酒屋然と飾ってある。
ご主人は、何年か前までまったく運動もしないで、
居酒屋の仕事だけにまい進していたらしいのだが、
突然マラソンをはじめ、今では200キロを超える
ウルトラマラソンにも挑戦するというのだから、驚きだ。
人間はそんなに急に変われるものだろうか?
私も明日から酒もタバコも止めて、ジョギングでも始めようか。まあ無理でしょうが。
●居酒屋のBGM
少し前に、居酒屋紀行の掲示板で
「居酒屋にはBGMが必要か否か。そしてテレビは?」と言うような論争
(論争と言うほどではないが)が起こったことがあったが、
私は店の性格に合わせれば良いのではないかと思っている。
仙台の名店「源氏」にはBGMは無い方が良いだろう。
また、「明治屋」も静かに酒を飲むところなので必要ない。
しかし、進化した居酒屋「味泉」や「笹吟」にはジャズが似合うようだ。
また、沖縄の居酒屋なら島唄があると和むし、
津軽の居酒屋なら津軽三味線の音が欲しくなる。
そして、下町の大衆居酒屋にはテレビが不可欠なようだ。
野球やサッカーを見ながら、ああでも無いこうでも無いと常連同士が騒ぎあうのは、
酒場の風景として見慣れたシーンだ。
まあ、酒と会話の邪魔をしなければ良いのではなかろうか?
一つ確かなのは、客同士やご主人との話が弾めば、
BGMやテレビの音は聞こえなくなってしまうのだが。
それでは番組はどうだろう。
8年続いた居酒屋紀行シリーズでは全てジャズのBGMを使ってきた。
これは私の考えだが、音楽はただのバックグラウンドミュージックではなく、
時にはシーンを盛り上げたり落ち着かせたりする効果音的な存在だと思っている。
夜行列車で北海道の大地を目指す時の「ラストトレンホーム」は、
確実に旅情をかきたてる効果があると思うし、
雪の中で見つけた赤提灯に入った瞬間「舟歌」が流れれば
絶対その店は良い店だと思える。(本当に番組で使ったわけではありませんが。)
というわけで、太田さんが美味しそうな酒や肴を口にしたときの音楽は、
ますます美味しそうに感じるような選曲に務めている訳で、
それは、店の雰囲気に合う曲ということもあるが、
もっともっと居酒屋を好きになってもらえるような効果的なBGMをと思っている。
しかし、皆さんには分かってもらえているのだろうか?ちょっと自信はない。
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コメント(16)
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この形式になってから初めて書き込みます。
「さきと」のゴマ鯖は番組で太田さんが食べてらしたのに、お店に入って頼んででてくるまで、文中にあった真鯖・ごま鯖の種類だと思っておりました。前にも書きましたが当方の田舎には「清水サバ」というごま鯖のブランドがあり、てっきりそうだと思い込んでいました。しかしあの杯の数々はいいですねー。以前にはなかったようなきがしますが・・・・記憶違いかも、最近とみに記憶力が落ちているもので自信はありませんが。
>オヤジ様
「髭コラム」いつも楽しみにして、印刷してファイルにしているのですが、このかたちになるとコラムの分(1回ずつ)だけ印刷するのにはどうしたらいいのでしょうか。誰か教えていただけませんか。
【ごまさば】
>オヤジさま
BGMの効果、分かってますって。
今回も、「さきと」での“ごまさば”を太田先生が一口して、旨さを噛みしめているその絶妙なタイミング。
そこに、前回「源氏」で使ったアルバム『Dandyism』(渡辺香津美&小曽根真)の1曲目「Spain」(前回は2曲目の「Babi’s Bossa」)をもってくるなんて……。(amazon.co.jpで買おうとしたら在庫切れでした)
クー、やるな。タダモノではない、って感じでしたよ。
ただし、わたしも坊さんかんざしさんと同じく「ゴマ鯖」のことだと思ってました。料理の名前だったんですね?
鯖のウンチクはラズウェル細木氏の『風流つまみ道場(弐)』の「レシピ10一口メモ」に詳しく書かれてます。高知県の清水サバのことも書かれてありましたよ。
高松 美人亭でも、箸休めにゴマサバ出してくれました。
あまりのうまさに声が出ました。やはり鮮度ですね。
居酒屋のおやじさん、肝臓にはお気をつけくださいませ。
皆様、コメントありがとうございます。
昨日、浦和のとある居酒屋へ行ったところ太田さんのサインが。さらに写真も。
これでは、太田さんどこの居酒屋へ行っても声を掛けられてしまいますね。(まあ、当番組の影響も大ですが。)
先週もロケにお邪魔した店で3組のファンに出会いました。
番組と太田さんの人気が上がるのは良いのですが、これからもっと追っかけるファンが増えるのがちょっと心配。
たとえば、自分が太田さんになったとして、気に入りの店にふらっとひとりで出かけたら、主人から店員から声はかけられるわ、ファンとおぼしき人から声をかけられるわ、仕舞には注文から肴を口に運ぶまで一挙一動を観察されるわで、くつろげなかったということになりゃせんかということですよね。太田さんもここまできたらその位の状況覚悟されているとは思いますが、太田さんに合うために居酒屋に行くんじゃなくて、太田さんがすすめてくれたお店を自分のものにして、機会があればその良さを共有しようじゃないかということに重きを置いてもらいたいですね。
>居酒屋のBGM
再びお邪魔いたします。
僕もオヤジ様のBGM選択のセンスは抜群と思ってます。
先日、僕もお邪魔した気仙沼「福よし」の巻で使われた
MaoChikaの#Arousal Reactionなんぞは、
もう「福よしのテーマ」と呼んでおります(笑)。
この曲もそうだし、博多「さきと」「寺田屋」で流れた曲も
居酒屋紀行シリーズでの、同じ店で流された曲のようですね。
やはり、そこの店のテーマ的要素を多分に含まれていると想像します(仙台の
「一心」の曲は違いました。シリーズでは、その後の「きゃりっこ亭」で
使用された曲でしたから。まあ同じ回ではありましたけどね)。
さて、今夜初回放送の「大分・天草」編ではどうでしょう?「入船」では
#BLAH、BLAH、BLAH(ERIC REED TRIO)が
流れるのでしょうか?大分のお店は未見なので、楽しみです^^
p.s.実は「福よしのテーマ」が収録されてる^^;
MaoChikaデビューアルバム「duologue」が見つかりません。
何でも2003年に廃盤になってしまったそうで、中古CDでも
探しておりますが、なかなか見つからず、往生しております。
お心当たりの方いらっしゃいましたら、御一報頂ければ幸甚でございます。
いけねぇ。また間違えた。
「入福」さんを「入船」と表記してしまいました。
お詫びして訂正いたしますm(_ _)m
見事なのは、店や料理のバックだけではありませんよね。
たとえば銚子鉄道の風景に流れたBGMも素晴らしい選曲でした。
>ジャイアントニオいのばさん
『duologue』はUSEDでよければ、amazon.co.jpに一枚だけありましたよ。(12/19現在確認)
>アワビのウロさん
銚子鉄道の風景に流れたBGMってどんな曲ですか?(録画していないので分からないんですぅ)
大晦日は正にその銚子鉄道に乗車する予定なのでぜひ知りたいです。
>オヤジさま
#6で、木住野佳子さんの「グリーン・スリーヴス」…ナイスチョイスです。時期的に、これは私たちへのクリスマスプレゼントのような選曲ですね。
アワビのウロさん、お褒め頂きありがとうございます。
北斗星で札幌へ向かうときの「ラストトレインホーム/パットメセニー」に続き、銚子電鉄の「Stompin' at the Savoy/Benny Goodman」。(なぜかこつこつ庵のバックと曲だけはダブってしまいました。)
トレインのバックには力が入ります。
天草の風景バックにかけた「グリーンスリーブス/木住野佳子」は、最初何の曲か分からなかったでしょう?
最後にメロディーが出てくるところが好きなのと、
キリシタンの里に合わせたつもりですが、分かっていただけましたでしょうか?
CD「JAZZ at IZAKAYA」
森下「山利喜」のジャケット写真、右下に写っている椅子狙いで行きましたが、16時半頃から先頭に並ばないと、空席に座るしかなく失敗しました。
ジャケ写の箸袋の店名が薄消しになっているので、他に店の名前は入っていないと思っていましたが、現地確認で一番手前のメニューで店名が読めることが分かりました。視力が落ちてます。
太田さんのサイン、試しに入った店で断り切れずに書いて、後日「太田和彦推薦の店」のように使われてしまうことはないか心配です。
浦和の店は従業員全員が太田本の熱心な愛読者です。あのサインは太田さんが読者サービスとして店宛に書いたものと理解しています。(歴史の浅い店だけど、将来は百名盃を渡せる店になるかもしれない、頑張れよという激励が入っている、と私は信じています。)
森下「山利喜」
森下のベニサンピットで演劇昼公演をみたあと、16時半から「山利喜」前に2番客で並びました。17時開店。1番グループは2階へ。次の私はカウンターのどこでもOKでしたが、一番奥の席に。
「JAZZ at IZAKAYA」のジャケ写椅子は奥から2番目で、狙いとずれて残念でしたが、写っている箸とお絞りは一番奥の席のもので、それを使うことができました。目の前にギネスのタオル。タオルの上に伏せられているのはフグ鰭酒用の酒器。写真のとおりの席に座れたーと大満足。ジャ道かな(笑)。
お飲物は?赤ワインを1本。伊or仏のどちらかきかれ、ワイン知識0なので、値段が同じことを確認して50音順でイタリアに。自家製鶏レバーのテリーヌ(薄切り仏パン付き)、生ハム、ガーリックトーストを注文。出てくるまでお通しの切り干し大根でワイン。あれ?16度位の常温。それでいいのかも分からず、胃には優しそうだからまあいいか。
隣のカップルの男性が、ここは絶対に煮込みを頼まなきゃと女性に力説して頼んだ。美味しいと食べていたけれど、私の鶏レバーテリーヌを見た女性が、即あれが食べた~い。どうだザマ~見ろ(笑)。鶏レバーテリーヌは見た目も味も◎でした。
そのあと新宿で予定があり、滞在45分で地下鉄に乗りました。
>Chrisさん
情報ありがとうございます。
実はタワーレコードの通販で見つかって、明日届くことに
なりました。でも、情報感謝いたしますm(_ _)m
↑
すみません。名前入れ忘れたかもしれないので、
もう1回書いておきます。訂正の連投多くてゴメンなさい(^^へ
『duologue』届きました。廃盤ものなので、
半ば諦めていた分、メッチャ嬉しい0(^^)0
「Kanasha~愛しゃ~」という歌詞入りの沖縄ソングが
あったりするんですね。オヤジ様、沖縄編では是非この曲を
使っていただきたい気持ちです。その他の曲にしても
どれもこれも脳にハートにビンビンくる曲ばかり。
いやいや・・・MaoChica凄い!