髭コラム#7
日本百名居酒屋紀行 髭コラム
第七回 あんぽん・味百仙
「太田和彦の日本百名居酒屋」を担当している旅チャンネル、居酒屋のオヤジこと小川洋一が番組の裏話や居酒屋巡りをしている中で思ったことなどをコラムとして書き綴ります。
●札幌一人旅
今回は札幌。何回札幌に来ているだろう?番組だけでも6回は来ているので、少なくとも14~5回は来ているだろう。その内の何度かは冬だが、やはり冬が良い。一度初夏に来たことがあったが、魚は少ないし、トウモロコシはまだ新物が出ないしと、誠に寂しい思いをしたことがある。今回は、秋。食べ物が美味しくなる時期だし、燗酒も恋しくなる時期だ。まず向かったのは、藻岩山展望台。羊が丘やテレビ塔には登ったことがあるが、藻岩山は始めて。さすがに標高が高く札幌市内が一望だ。そして、ここに来た理由のもうひとつは「福来軒」に寄ること。藻岩山近くにある、以前別の番組で来たことのあるラーメン店だ。昔のサッポロ味噌ラーメンと言われているらしいのだが、私にはこれこそ味噌ラーメンと思えるほど美味しい。ちょっと辛めの味噌でモヤシをさっと炒め、濃厚なスープと共に茹でた麺の上にかける。寒い日にこのラーメンをすするとすぐに暖かくなる。そんなラーメンなのだ。それにしても、こんな中心部から離れたところに、お世辞にも綺麗とは言えない(半分倒れそうな)店が良く残ったものだ。まあそう言う私もわざわざここまでラーメンを食べに来たのだが。
さあ居酒屋だ。今回も2軒の店は決まっており、変わらずに営業しているかどうか確認しに来たようなもの。まずは、札幌駅北口の「味百仙」。何の変哲も無い雑居ビルの地下一階に素晴らしい店がある。日本酒は全国から新進気鋭のいい酒を集め、肴は地元北海道の活きの良い魚だけを扱う。ここのご主人は、大阪「ながほり」のご主人と知り合いらしいが、良い店は良い店を知っていると言う良い例だ。以前この店で、某有名料理雑誌の日本酒特集で取り上げられた「御湖鶴」を飲んだことがあり、感激したことを思い出した。「御湖鶴」は長野県諏訪の酒で、その雑誌に取り上げられる前は誰も見向きもしなかったような酒だ。そんな日本酒をいち早く置くところも札幌一の日本酒揃えと評される点だろう。そして、もう一つ番組との縁を感じる事がある。それは、「浮月盃」「江戸徳利盃揃え」「百名盃」を作ってもらった東京青山の器の店「大文字」の器を多く揃えているのだ。年に一回、大文字の社長が遊びに来るそうで、それが縁で、わざわざ青山から取り寄せているのだろう。(番組の中で大文字の名前がご主人から出たのは、そんな理由からです。事情を知らない方には何のことだか分かりませんよね。申し訳ありません。)
もう一軒はすすきのの「あんぽん」。もう、オリジナルの全国居酒屋紀行で取材したのだから、8年前だ。懐かしい。何も変わっていない店内だが、女将さんが不在だ。心配になって聞くと、「最近ちょっとした自動車事故を起こして、今日は休んでます。」とのこと。だが、たいした怪我ではないのですぐに復帰するだろうと聞いて安心した。しかし、もう随分なお年なのだが、自分で車を運転して、仕入れに行っていると聞いてまたびっくり。さすがに永年良い店を維持してきた女将さんだ。気構えが違う。でも、あまり無理しないでくださいね、と心の中でつぶやいた。
●忘年会シーズン
私は、こんな仕事をしているせいもあるが、一人で居酒屋に入るのが好きだ。太田さんの台詞ではないが、居酒屋は一人でボーっとして、酒と肴を楽しむところ。そして、ご主人や女将さん、そして、常連のお客さんとの会話を楽しむところ。と思っているのだが、どうも年の暮れのこの季節はそんなことは許されないようだ。先日、某有名(隠れた)老舗の居酒屋にお邪魔したのだが、開店と同時に殆ど満席。それも10名の団体をはじめ、2~4名のグループばかり(とは言っても、25名ぐらいしか入れない店ですが)。一人客は、私ともう一人がカウンターの端っこに二人だけ。いつもは、一人客ばかりがカウンターに並び、テーブルや小上がりもせいぜい二人客なのだが。まあ、私も忘年会は好きだし、よく参加するが、この店で団体は無いだろう。店のほうとしては、いつも来ていただけるお客さんに駄目ですとは言えまい。そこを、他の客さんに気を使って、この店では忘年会は止めようと思うのが、常連客ではないのか?忘年会用の大きな店なら、他に沢山あるだろうに。さらに、その後、若い女性を二人連れてきた中年男性がまた気の使えない輩だった。「わー!可愛いお店!隠れ家みたい!○○さんの隠れ家なの?私の隠れ家にしても良い?!」と奇声を上げる女性を諭すでもなく、「ここは、俺の隠れ家なんだから、勝手に来ちゃダメ!俺と一緒ならいいよ~!」と若い女性と一緒に奇声を上げている。本当の隠れ家に若い女を連れてくる馬鹿がいるか!と苦虫を潰したのは私だけではないだろう。
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コメント(4)
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皆さんこの一年番組をご覧頂きありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
それでは皆さん良いお年をお迎えください。
オヤジ様
今年も一年お疲れ様です。
ロケハンで飛び回る日々かと思いますが、
おからだには十分に気をつけて、
いいお店をご紹介ください。
夏のオフもつい昨日のように思い出します。
百名居酒屋まだまだ先は長いと思いますが、
楽しみにしていますので、よろしくお願いします。
居酒屋のオヤジ様
今年は初めて太田さんオフによらせていただきました。
その節は大変お世話になり、ありがとうございました。
あんぽんですが、12月6日に行って参りました。
女将さん、とってもお元気そうでした。
事故があったので、もう運転はなさらないとのこと。
太田さんが百名居酒屋の取材でいらっしゃったことも、
とても嬉しそうに話されてました。
あぶらびれにも寄りたかったのですが、
オヤジさん同様、確認できませんでした。
やはり閉店してしまったのでしょうか。。。
そして昨日、焼津の壽屋に行って参りました。
オヤジさんが新幹線を途中下車して寄りたい気持ち、
とても同感でした。すばらしい佇まいでした。
また寄らせていただきたいお店です。
お教えいただき、ありがとうございました。
いよいよ大晦日。よいお年をお迎えください。
また来年もよろしくお願いいたします。
みなさまあけましておめでとうございます。
本年もどうぞお手やわらかにお願いいたします。
私の年越しはギリギリまで仕事でして、
紅白をまともに見られたことくらいです。自慢できることは。
(自慢できることなのか?)
札幌篇楽しく拝見いたしました。もう10年以上も前にひとりで
札幌に旅行した時に、まだかじりたてで知らない居酒屋に入ってはみたものの、酒も肴も中途半端で己の情報収集のなさを嘆いたことを思い出しました。でも今は皆さんのおかげで、あとは札幌に再び行くのみとなっております。その時に思いを馳せながら見る番組は楽しいものです。「味百仙」は何か全然変わってないですね。地酒の揃えとかがよりマニアックになったりしているのかと思ったら、手堅いメンバーが中心でいいですね
しかし「御湖鶴」とかがさりげなく入っているところがニクい。