2008年10月アーカイブ

日本百名居酒屋「門・渉」はいかがだったでしょうか?
二店とも、小さい店ですが、料理、酒、人、居心地、全てに満足できます。
特に、一軒目の「門」のあるお初天神横の小路は素晴しい。大阪駅の近くに残された唯一の飲み屋小路でしょう。どこの店も入ってみたくなります。
以前取材させていただいた「北龍」はご主人が先日他界されましたが、奥様がしっかり店を守っていらっしゃいます。
もう一軒「北サンボア」は、本当に文化財です。マスターに奥様、息子さんの三人のティームワークも完璧。私は大阪へ行くと必ずここに寄ってきます。


それにしても、門で出たワタリガニの大きかったこと。あんなに大きいワタリガニを見たのは初めてです。

それが右の写真。

門ワタリガニ.JPG

その他にも、美味しい物が目白押しですが、詳しくは行って見て下さい。
行く時は、予約していったほうが良いかも知れません。なんてったって小さい店ですので。12人も入れば満員です。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一軒、宗右衛門町の「渉」。

この店もちょっとした小路の奥にあります。しかし、小路を出るとそこは別世界。あまりにもネオンがまぶしいので、初めての方は驚くでしょう。
私は、少し前に、天下茶屋の店を探したことがありました。その時は見つからずに悔しい思いをしたのですが、ちょうど新店に移る時だったようです。
その薄暗い天下茶屋の通りから、賑やかこの上ない宗右衛門町に移ったのですから凄いですね。昔からのお客さんはさぞかしビックリされる事でしょう。

渉酒器.JPG
番組の中ではあまりじっくり撮ってはいなかったですが、太田さんが大喜びだった酒器は右の写真です。
何と、十二代柿右衛門だそうです。ご本人の作ではなく、十二代がデザインした物を職人の方が作られるのでしょうが、それにしても良い物です。
渉のご主人は、骨董業者からお買いになったそうですが、どのくらいの値段なのでしょう。(貧乏人はすぐ金額を知りたがる。悪い癖ですね。)
調べたら、今も売られているようです。(骨董品ではなく新品)

 

 

 

 

今回は、若手のやっている隠れ家的居酒屋というテーマでしたが、実は二軒ともそんなに若手ではありません。十分に経験を積まれています。
その意味では実力派と言って良いと思います。東京で言えば、前に放送した「まるしげ・おかげさん」のようなタイプでしょうか?

さて、百名居酒屋に連動して連載されている小説新潮の居酒屋百名山ですが、今出ている号は東北の四軒「しまや・ばんや・とらや・こまつ」が掲載されています。
少し前にコラムでも書きましたが、なんと文化の香りがする文章と内容でしょう。こんな文章しか書けない自分を恥ずかしく思います。(だったら書くなって?)

その同じ号に「鉄道百景」という特集がありまして、その中に宮脇俊三(「時刻表2万キロ」「最長片道切符の旅」など)のエッセイ「身近なところにも『旅』はある」が掲載されていました。
ちょっと抜粋させていただくと、
「旅行の計画を立てる場合、まず必要なのは地図と時刻表とガイドブックで、これが基本資料、三種の神器である。これで計画を練るのは、じつに楽しい。机上旅行は「読書」と「旅」という両極をふまえており、贅沢の極地だ。金もかからない。旅行できないまでに老いても、机上旅行が楽しめるのは希望である。
(中略)
旅行業者の餌食とならぬこと。ツアーに参加すれば楽々だが、楽に旅行すると、あとに残る感銘は少ない。旅は自分で計画を立て、その結果の「失敗」に価値がある。
(中略)
金もなく暇もなくても「旅」はできるのだと私は考えたい。できれば、金がないほうが良質の旅ができるというところまで。」

この文章は1988年に書かれたものなので、ちょっと現代の実情には合わないかもしれませんが。私は大賛成です。
インターネットがこれだけ普及してくると、地図も時刻表もガイドブックもいらないのかもしれません。しかし、ネットで得られる情報はピンポイントです。その周りの状況がつかめない。もしくはつかもうとしない。
それでは、旅の面白さは分かりません。
乗る予定の列車の前や後にどんな列車が走っているのか?行く予定のところの周りには何があるのか?そんな情報をつかんで旅に行くから、面白いのです。変化が付くのです。
ツアーに参加すれば楽ですが、それ以外のところには行けないし、途中で変更することもできない。そんな旅が面白いですか?
居酒屋めぐりもしかりです。
行きたいところの情報をインターネットで集めて、その店だけを目指していくのでは、楽しさは半減します。
目指す店の隣の店はどんな店か?もしかしたらもっと良い店かもしれない。とりあえず入ってみなければ分からないのです。
まあ、ダメなことのほうが多いかもしれませんが、それが旅です。
失敗したほうが、良質な旅なのです。
皆さんも、ぜひ実践してみてください。そうすれば、もっともっと旅行者が増え、旅チャンネルの視聴者が増えるのにな~!

さて、今回の使用曲です。

#27一曲目.JPG

一曲目は、大阪駅周辺のバックに流れた曲、

MICHEL LEGRAND の

ROSETTA です。

彼はフランス人なのに参加ミュージシャンが凄いですね。

実は、このアルバム、昔はアナログレコードで持っていたのですが、今回使ったのはCD。

改めて購入しました。

レコードは、中古レコードショップに売ってしまいました。

惜しいことをしたと反省しています。

 

 

#27二曲目.JPG

 

二曲目は、門のバックに使った曲、

安井さち子 の 

MY FAVORITE THINGS です。

この曲は、本当に有名。

そういえば、コルトレーンの曲もレコードで持っていたのですが、これも売ってしまった。反省。

 

 

 

 

 

#27三曲目.JPG

三曲目は、宗右衛門町付近の風景バックにかけた曲。

JIMMY SMITH の

EAST OF THE SUN です。

映像でも分かるとおり、道頓堀川の河畔はとても綺麗になりました。

ちょっと、綺麗になり過ぎかも。

多少猥雑な雰囲気も残しておいて欲しかったな~。

 

 

 

 

 

#27四曲目.JPG

 

四曲目は、「渉」のバックでかけた曲。

和泉宏隆 の 

COLORS ON THE STREET です。

和泉宏隆は最近特に気に入っています。

ジャズとフュージョンの間のようなサウンドがとても心地よいですね。

 

 

 

 

 

今放送中の、日本百名居酒屋「とらや・こまつ」編は楽しんでいただけたでしょうか?

次回、10月23日からは、大阪「門・渉」編が始まりますのでお楽しみに。

その「門」が現在発売中の一個人(KKベストセラーズ)に載っていました。と言うか、太田さんの選んだ全国10店の有名居酒屋の中の一店ですから、当然と言えば当然。後の9店も当然居酒屋紀行シリーズでご紹介した店ばかりです。

記事の内容は、「有名居酒屋の名物酒肴を自宅で楽しむ」で、レシピと作り方が載っています。しかし、そんなに簡単にできないから居酒屋に行くという理由にもなっていると思われ、記事の内容はともかく、企画がちょっと?な気もしますが、皆さんいかがでしょう?

さて、今回は題名どおり3軒のはしごを3回してきましたので、その後報告を。

まずある日の夕方、そうだ!京都 ではなく銀座に行こう!と言うことで、ご存知銀座の名店「中ぜん」に向かいました。

店内は凛とした空気が流れ、なんとも良い雰囲気。カウンターには私一人だけ。今日も一杯やれる幸せに感謝です。しかし、その日は予約が沢山入っているようで、カウンター、テーブル、小上がりに箸が並んでいます。一杯やるうちに、見る見る予約客で満員。そのほとんどがカップルで、華やいだ雰囲気になってきました。そこで、一人の私は次の店へ。

次は、バー「酒仙堂」です。ビルの地下の小さな店ですが、マスターはオーパ出身のナイスガイ。大変美味しいカクテルを作ってくれます。ここも最初は一人でしたが、すぐに大企業の重役といった威厳のある方が来店。一人でカクテルを楽しまれている姿は、まるで映画の一シーンのよう。あんなふうに粋に酒を楽しめるのは、いつになるだろうと少し反省。

もう一軒、少し歩いて、新橋へ。初めて入る「いし井」です。最近日本酒好きが高じて、脱サラで店を開いたという店。ちょっと入りずらいですが、入り口を開けるとカウンターはいっぱい。しかし、一人ですと言うと、真ん中の席にやっと入れていただきました。お隣は外国人とうら若き女性。新橋にしては珍しい。それが、両側とも日本酒をがんがん飲んでいるのです。特に、左の外国人は、日本人でもそう知らないような渋い酒をどんどん注文。凄いな!と思っていると、ちょっとお先にとお勘定をして、店を出られました。出る間際に、右側の女性が名詞下さ~いと言うので、外国人の方は一枚手渡し。すると、なんと、ジョン・ゴントナーさんではありませんか。

ジョンさんはアメリカ人でありながら日本酒ジャーナリスト。何冊も本を執筆されています。

気が付いたときはもう遅く、既に店外に。私は「本読んでますよ~!」と叫ぶだけでした。いやいや、残念なことをしました。

又別の日、今度は、そうだ!横浜へ行こう!と言うことで、ご存知野毛の名店「武蔵屋」に向かいました。

ちょっと、遅い時間だったので、店内は意外に空いています。いつものようにコップ酒を三杯。その間に、先生と呼ばれる方が来店。カウンターに座ると、目の前にあるヤツガシラから芽が出た鉢を水彩絵の具でさらさらと画を描かれました。その見事なこと。それを女将さんにさっと手渡し。なんとも粋な方です。普通の呑み助には真似できないかっこ良さでした。

その足で、すぐ近くの「麺房亭」へ。以前来たときに、自家製チーズを作りますと話されていたので、ちょっと味見。味噌漬けにしましたというその一品は、チーズというより豆腐みたい。でも濃厚な味で、旨口の日本酒にぴったり。なんとも凄いことをするマスターです。

そして、野毛に来たら必ず寄るのが「パパジョン」。先代のパパが他界されて半年以上が過ぎました。今は毎週一日休んでいますが、今も息子の研一さんが店を守っています。とても居心地がいい、そして、角のハイボールが美味しい店です。

別の日、今度は近くからスタート。秋葉原の「赤津加」です。電気街に奇跡的に残った名居酒屋。なにを食べても昔からの味を守って大変美味しい店です。一人カウンターで飲んでいると、私と同じ様な年恰好の二人連れが入ってきました。どうも見覚えのある顔。なんと、もう20年以上前からの知り合いではありませんか。ここ5年ぐらい顔を見ていなかったのでお互いびっくり。何でも会社を変わったそうで、名刺交換。こんなこともあるのですね。

そして、二軒目は、木場の「河本」へ。入ったとたん、小川さん?と声を掛けられ、そちらを向くとなんと、これも10年ほど前まで一緒に働いていた仲間。偶然とは恐ろしいものです。そして、その隣には、たまにこの河本でお会いする、作家の森下賢一さんが。いやー面白い!こんな日もあるのですね。

と言うことで、もう一軒は、「E」です。この日は、ある番組の収録があるということで、昔からの知り合いY氏に会いに行きました。当方の番組とは違い、大きなカメラで、ライトをたいてどんどん撮って行きます。この時間のここのお客さんならみんな出来上がっていますので、みんなわいわいがやがや。テレビカメラがあろうがなかろうがお構いなし。しかし、Y氏もかなり酔っ払っていますし、ちゃんと収録できたのだろうか?同業者として心配になってしまいます。(店の名前を伏せたのは、まだ放送前ですので。でも勘の良い人なら、分かってしまうかもしれませんね。)

そんなこんなで、一晩三軒のはしごは面白い。一軒で、じっくりやるのもいいですが、3軒廻ると、店店の違いや、客層の違いなどが観察できて大変参考になります。(何の参考だろう?)

本日10月9日22時から日本百名居酒屋「とらや・こまつ」が放送されます。

東北の幸が堪能できます(画面上ですが)のでお楽しみに。

それでは、早速使用楽曲です。

#26一曲目.JPG

一曲目は、

WES MONTGOMERY の

GOIN' OUT OF MY HEAD です。

有名な曲ですので、皆さんも一度は聞かれたことがあるでしょう。

東北盛岡の風景にはちょっと派手だったかもしれませんが、すがすがしさが合っていると思います。

 

 

 

 

 

#26二曲目.JPG

二曲目は、とらやのバックで使った、

STAN GETS の

LOVER COME BACK TO MEです。

この曲も有名ですね。

とらやの女将さんはアメリカのバーにいるようなビックママみたい。

とても、安心感があり話をしていてもとても楽しい。

曲にも合っていたでしょう?

 

 

 

 

#26三曲目.JPG

三曲目は、一関の風景に合わせた、

CHICK COREA & GARY BURTON の

I'M YOUR PAL です。

ゲーリーバートンのクリアーな音色がとても良いですね。

そして、一関の寺の階段が凄いでしょう?実は、上までは車で上がれます。

撮影のときはちょっとズルしてしまいました。

 

 

 

#26四曲目.JPG

最後の曲は、

ASIAN SUPER GUITAR PROJECT の

FOR THE CHILDREN です。

アジアン スーパー ギター プロジェクトは、香港出身のユージン・パオ、韓国出身のジャック・リー、そして、渡辺香津美が組んだユニットで、まさにアジアを代表する三人のギタリストの偉大なアルバムです。

アルバム名のギター三国志が良いですね。

 

 

 

さて、盛岡のとらやですが、驚いたのは番組の中で太田さんも言及されいますが、娘さんの美人なこと!めったにカウンターには現れませんので、よほどの常連さんでなければ顔を知らないでしょう。残念です。

とらやたたき.JPG

そして、圧巻のなのは、左の写真、かつおのたたきです。

かつおの上にきゅうり、ネギ、みょうが、トマト、シソ、大根おろし、そして、レモンがスライスされて大量に載っています。

自家製のポン酢でいただけばその美味しさに驚きます。

まさに、サラダ感覚。

実は、家で真似してみました。

ポイントはレモンのスライスです。

ちょっと苦いレモンの皮がアクセントになって、とても爽やかな味になっています。

皆さんも是非お試しを。

しかし、私は市販のポン酢でやったので、とらやには当然負けます。

そして、一関こまつでのカキの松前焼き。これが又素晴らしいの一言。

水山養殖場のカキは有名ですが、夏に旬をむかえるとは知りませんでした。お話によると、9月上旬に産卵する直前のカキが最も美味しいそうです。しかし、夏は気温が高いため通常は中るのを怖がって食べないそうですが、特別な殺菌をして、食べられるようにしてあるそうです。

こまつカキ.JPG

それが、左の写真です。

松前焼きのように熱を加えたものも大変美味しいですが、やはり生カキも捨てがたいと、もう一品頼んだのでした。

撮影は8月の末だったのですが、こんな時期に生カキ、それも水山養殖場のカキを食べられるとは、なんと言う幸せ!

これは、地元まで行かないと絶対に食べられない一品です。

でも、もう今の時期にはありませんが。申し訳ない。

やはり、多少遠くても足を伸ばして、本当の味を体験してもらいたいものです。

全国各地でおとり寄せがはやっていますが、私としては、わざわざ旅に出て、美味しいものと酒を味わってもらいたいと思っています。(旅チャンネルでもおとり寄せの番組を放送しましたが)

やはり、地方は良いですね。特に遠ければ遠いほど良さが実感できます。外国の方が遠いですが、私は外国語がまったく話せないので国内で最も遠い沖縄と北海道が好きです。まあ、近くても上手い酒と肴があれば良いのですが。(笑)