2009年2月アーカイブ

一昨日、2月26日は日本百名居酒屋「神馬・赤垣屋」の放送でした。

皆さん、楽しんでいただきましたでしょうか?

早速、曲紹介。

#35一曲目.JPG

一曲目は、北野天満宮周辺の風景バックに使用した曲、

KEITH JARRETT の

STROLLIN' です。

北野天満宮の梅はまだ一分咲き程度でしたが、美しいですね。

近くの、上七軒のお茶屋さんで、

一度飲んだことが有ります。

今は亡き渡辺文雄さんに連れて行っていただきました。

それがたった一回、お茶屋の敷居をくぐった思い出です。

コタツでしたが。

 

 

#35二曲目.JPG

二曲目は、神馬のバックで使った曲、

THE QUINCY JONES & SAMMY NESTIO ORCHESTRA の

YA GOTTA TRY ... HARDER!

と言う曲です。

クインシー・ジョーンズは、

カウント・ベイシーを尊敬していたようで、このアルバムにはその気持ちが表れているような気がします。

 

 

 

 

#35三曲目.JPG

 

三曲目は、南禅寺周辺の風景バックに使った、

和泉宏隆 の

EYES OF FRLORA です。

南禅寺境内にある水路閣は、

明治時代に琵琶湖から水を京都に引くために作られた水路。

今でも現役だそうですが、良くそんな大工事をあの時代にしたものです。

貴重な文化遺産ですね。

 

 

 

#35四曲目.JPG

 

四曲目は、赤垣屋のバックで使った曲、

WES MONTGOMERY の

GONE WITH THE WIND です。

あの赤垣屋に太田さんがたった一人なのはちょっと違和感がありますが、音楽とはマッチしていたでしょう?

あれほどの贅沢はちょっと無い瞬間ですね。

 

 

 

 

今回お邪魔したのは、京都の老舗居酒屋さん。

一軒目は、西陣の「神馬」。

もう何年前になるでしょう。初期の居酒屋紀行のとき、始めて京都へお邪魔し、知り合いの方に連れて行っていただきました。

入ったとたん、これは凄い店だと実感し、すぐに取材のお願いをしたのですが、当時ご主人が入院されていて、「今は、ちょっと無理です」と断られてしまいました。

しかし、ご主人が復帰された後、ふたたび取材をお願いし、一年後やっと紹介できたのが神馬さんです。

その後、息子さんが板場に立たれるようになり、料理や日本酒の揃えが格段に変わり、さらに素晴らしい店に変化して行ったのです。

あの時、知り合いの方に連れて行っていただけなかったら、西陣のここまでは来なかったと思います。

さすがに京都は深い。地元の方はもっと深いところで楽しんでいるのでしょうね。

もう一軒は、川端二条の「赤垣屋」。

こちらも、居酒屋紀行の初期に取材のお願いに参りましたが、「取材は一切お受けしていませんので」と一喝されたのを思い出します。

それから、太田さん、私、ファンの方が何度も足しげく通って、顔を覚えていただき、やっと何年か後に小上がりで撮影させていただきました。

その後も、事あるごとにお邪魔させていただき、やっと今回カウンターでの撮影にまでたどり着きました。

しかし、それだけの価値がある店だと、今回又実感しました。

内装、燗酒、料理、全てにおいて完璧です。京都の炊いたものは本当に美味しいのですが、ご主人は、若手の調理人と共に午前中から仕込みを始め、何時間も煮物に付きっ切りだそうです。

この情熱がなければ、良い店は続きません。

ただちょっと残念なのは、昔のようにゆっくりカウンターで時間を過ごせないこと。

これは、当番組の責任もあるのでしょうが、いつも満員で入れたらラッキー!状態です。

でも、今回取材のお願いにお邪魔したときは、5時ちょうどに入店し、ご主人とお話をさせていただき、すぐに満員状態なのでいったん店を出て、ふたたび10時ごろ舞い戻りました。

すると、カウンターの真ん中に空きがあるではありませんか。

そこで、閉店時間まで、ゆっくりとお話させていただきました。

どうも、人気の居酒屋さんは開店直後が満員のようです。

ですので、閉店間際(ゆっくりは出来ませんが)が狙い目です。

 

今回は、京都のバー事情を少し。

まずは、下見の時に偶然見つけた「フィンランディアバー」。

実は、祇園サンボアへ行こうと思ったのですが、見つからず、当てもなく歩いていると、祇園の小路に町家を改装したバーがあるではありませんか。

ちょうど、お客さんが出てくるところで、お見送りに出たバーテンダー氏の服装がビシッと決まっていました。

これは良さそうと思い、すぐさま入ってみました。

少し前に店内を改装したそうで、真新しく端正な空間でした。男性ばかりのバーで、作るカクテルはどれもキリッとして大変美味しいものでした。

そして、もう一軒は、六角通り御幸町入ルにある、これも町家を改装したバー「K家」。

町家といってもこちらはかなり広く、中庭まであります。

店内は、非常にゆっくりとした広い空間で、中庭の向こうに離れまであります。

女性が二人に、男性のチーフバーテンダーが一人。カクテルも大変結構でした。

しかし、ここはちょっと中年一人では入りにくいですね。カップルには最高の空間だと思います。

もう一軒、下見の時には探し出せなかった「祇園サンボア」。

実は二回目なのですが、以前お邪魔したときは相当混んでいて、マスターとお話も出来ず、一杯で退散したのでした。

今回は、まだ明るい時間にお邪魔しました。

店内は早い時間なのでまだ私一人。聞くと、マスターは東京新橋の「トニーズバー」で修業されたとの事。

それではと、これもトニーズバーにいらっしゃった銀座の「トスティー」のマスターの話を向けると、なんと一緒に働いたこともあるとか。

業界では有名な話なのでしょうが、私は初耳で、東京に帰ってすぐにトスティーで同じお話をさせていただきました。

バーはこういったバーテンダーさん同士のつながりがとても羨ましいですね。

そう言えば、これも銀座の「ロックフィッシュ」のマスターもサンボア出身でした。

こう考えると、「全国バーテンダー関係図紀行」という番組が出来るかも!

 

本日2月12日(木曜)22:00~日本百名居酒屋「麺房亭・企久太」の放送です。

視聴者の皆さんの中には地元の方も多いと思います。お楽しみに。

実は、横浜野毛はもっと前に放送する予定でした。しかし、ある店(もう皆さんお分かりでしょうが)の取材が決まっていながら、直前になって「しばらくお休みするので、又次回に」と二度ほど延期しました。

(ちなみに、今も休業中だそうで、又再開されることを切に願います)

しかし、3回目となるともう先には延ばせなくなり、急遽「横浜・鎌倉」に変更したのでした。

と言うことで、麺房亭の黒塚さんには大変ご迷惑をお掛けした事をここで、お詫びさせていただきます。

それにしても、麺房亭は凄い店です。

何でも自家製で作ってしまいます。番組に登場した生ハムやチーズなどをはじめ、パスタまで。

太田さんが言われるように、スーパー居酒屋で、こんなに何でも作ってしまう人は、日本広しと言えども他にはいないでしょう。

私が感動したのは、パスタ。当然自家製ですが、ゴルゴンゾーラチーズの量を何段階かに分けてメニューに載せてあります。少しの量でもそのコクはかなりなものですが、大量にのせるとそれはそれは恍惚の味です。

さらには、かんずりを使ったパスタなんて言うのもあります。

皆さんがもし行かれるのでしたら、何人かで行くことをお勧めします。一人で行くと、一皿の量が多いので、何品も食べられませんので。

野毛の名店と言えば、先ほどの取材を諦めた店。しかし、5時の開店すぐに満員です。お勧めは9時の閉店前。

これは、どこの店にも共通していることですが、古くからの人気店は閉店間際になれば空いて来ます。

鍵屋しかり、斉藤酒場しかり。しかし、名古屋の大甚は、遅くなると肴が無くなってしまうのでお勧めできない様です。

これは、いかがな理由からか?

私なりに分析すると、「居酒屋好きは、居酒屋自体が好きなので、開店と同時に入る方が多い。そして、酔っ払う前に、ちゃんと引き上げる。」からではないかと。

逆に、遅くなっても込んでいるような、チェーン店風居酒屋には、居酒屋好きが集まるのではなく、酒に酔うために来ている酔っ払いが多いのではないかと。

そして、横浜野毛で外せないのが、パパジョンと山荘。

最近野毛には、ホッピー仙人などの新しい名店が増えていますが、昔からの名店と言えば、この二軒。

パパジョンの先代のマスターは他界されましたが、しっかりと息子さんが次いでいらっしゃいます。

そして、山荘にはEP盤の内蔵された正統派のジュークボックスがあり、今でも現役です。

野毛は、ちょっと怪しい昭和の雰囲気を残した、稀に見る飲み屋街だと思いますが、皆さんはいかがでしょう?

もう一軒は、鎌倉の「企久太」。

鎌倉と言えば、先日廃業された「長兵衛」が思い出されます。こちらも、廃業される前に取材のお願いをしたのですが、もう止めるのが決まっているので遠慮します、の一言で涙を飲みました。

今回、取材をお願いした企久太さんは、そんなこんなで急なお願いでしたが、快諾をいただき、大変感謝しております。

それにしても、企久太も大変な人気店で、私が取材のお願いに行ったときも6時ごろにはほとんど満員でした。

鎌倉には、意外と優れた居酒屋が少ないのかもしれませんね。長兵衛のお客さんがほとんど流れてきたように思えます。

さて今回使った曲紹介です。

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一曲目は、

JIMMY SMITH の

OLD DEVIL MOON です。

今年は、横浜開港150周年。

大桟橋からのみなとみらい21の眺めは本当に素晴らしいですね。

夜景が又素晴らしいのですが、夜景を見られる時間には酔っ払っているので、車で行けないのがちょっと残念。

 

#34二曲目.JPG

 

二曲目は、麺房亭のバックに使った、

TOOTS THIELEMANS の

IMAGIN です。

シールマンスは好きなミュージシャンの一人。

そして、イマジンも好きな曲です。

この演奏は、麺房亭の雰囲気にピタリでしょう?

 

#34三曲目.JPG

 

三曲目は、鎌倉の風景に使った曲、

小曽根真の

O' GRANDE AMOR です。

このアルバムは、小曽根真がスタンダードな曲ばかりを演奏したものです。

やはり日本人ピアニストでは一番かも。

 

 

#34四曲目.JPG

 

四曲目は、企久太のバックで使った

和泉宏隆の

THE CATCHER IN THE RYE です。

最近、お気に入りなのが、和泉宏隆。

スクエァ時代とはかなり異なる落ち着いたサウンド。

やはり人間、年を取ると演奏も円熟味が増すものです。

 

 

そして、次回2月26日から二回続いて京都です。こちらもお楽しみに。

理想的というか、思い描く(映画に出てきそうな)居酒屋(小料理屋)とは、皆さん、どんな店ですか?

私は、賠償千恵子風の着物の女将さんが、カウンター5席ぐらいにテーブル席一つの小さな店を、一人でけなげに切り盛りしている雪深い地方都市の居酒屋(小料理屋)を想像するのですが。(かなりおじさん入ってますね)

実は先日、事務所の近くでそんな店に偶然入りました。

昨年の秋に新装開店の花があったので、入ってみたいなと思いつつ年を越してしまったのですが、時間の早いこともあり誰もお客さんの居ない店に入ってみました。

店内は、私の理想どおり。カウンターが4席に四人がけのテーブルが一つ。そして、着物ではありませんが女将さんが一人。

出てきたお通しはイカの塩辛。ちょっとまだ漬かりが浅い?と思ったら、昼間に自分で作ったそうです。

生ビールをお願いし、カウンターの大皿料理の一つ、揚げ新じゃがとそぼろ煮をいただくと、「ちょっと甘いかもしれません。ごめんなさい。」との言葉。

聞くと、6~7年この建物で同じ名前の居酒屋を旦那さんと二人で営業していたとのこと。今でも、その頃の常連さんがいらっしゃるそうですが、昔のように鍋やお造りなどは出来ないので、二階の営業は止めて、一日4~5人来てくれればと思い、休業の後再開したそうです。

それが去年の秋。

そう、旦那さんに先立たれたようです。

そこへ、一人の老紳士が、入ってこられました。

女将さんは「久しぶりですね。」とコートをハンガーにかけてくれます。

昔からの常連の老紳士は、私や女将さんに様々なお話をしてくれます。

昔の神田の話。旦那さんの料理が美味しかった話。女将さんの出身地の話。

そして、「明日甲府へ行くから、蕗の薹を買って来ようね。それと自家製の味噌があるからそれで、フキ味噌を作ってね。」と。

私は、スキー正宗(珍しい)を燗でいただき、老紳士の話に相槌を打っています。(燗もちゃんと湯煎をしてくれます)

女将さんは「旦那に、もう少しちゃんと料理を教わっておけば良かった。この前、鯵を下ろしたのは良いのですが、皮がうまく引けなくて自分で食べてしまいましたし。」と少し寂しそうです。

そこへ、サラリーマン風の二人連れがテーブルへ。

女将さんは、そちらへ行って、注文をとっています。

老紳士と私は、日本酒の話を少しして、うまい肴の話など。

もう一つ、イカの丸干しをいただき燗酒をもう一杯。(矢代亜紀の世界です。)

それからしばらく、女将さんを挟んで、三人でお話。テーブルの二人はなにやら難しい話をしています。

お客さんはそれ以上増えず、ゆったりした時間を過ごしました。

これが、私にとってある意味理想的な居酒屋です。

早くに旦那さんをなくした未亡人が、素人料理でもけな気に頑張る小さい店。そこへは、昔の店の活況を知る老紳士が、援助を惜しまず、助言を与える。そこに、ぶらっと一人の中年客。そして、まだ若いサラリーマンが、これからの不況を乗り切ろうと真剣に話し合っている。女将さんも客も、そんなにあわてず騒がず、自分のペースを守ってゆっくり酒を飲む。

この日は、ちょっと別に用事があったので、一番先に店を後にしたのは私でした。

そのとき、女将さんは、「良かったら又いらしてください。素人料理ですが。」と。

そして、老紳士は「又お会いしましょう。是非ここで。」と。

久しぶりに、本当に満足した時間でした。

店の名前は伏せておきます。客が押し寄せると私の居場所がなくなってしまうので。

でも、末永く頑張ってもらいたい気分でいっぱいです。